アニサキスアレルギーは魚介類のなかに寄生するアニサキスの成分(アレルゲン)によるアレルギー疾患です。最も重いアレルギー反応であるアナフィラキシーだけでなく、じんま疹や消化器症状(消化管アレルギー)といった軽微ながら長引く症状でお困りの方も多い病態です。
魚介類の喫食が大好きな日本の住民には、この病気で困っている方々が予想以上に多く存在するのではないか、と考えられています。しかしながら、大規模な研究結果がないため、どの程度の患者さんが存在するのか、どのようなアレルギー症状で苦しんでいるのか、どのようなシチュエーションで症状が出やすいのかについて日本全体のデータに欠いているのが実情です。
学会や研究団体でもアニサキスアレルギーに関する診断の基準や、治療の道筋を明確に示せない状況にあり、患者さんにとって不利益な現状を打破したい、と当科の鈴木慎太郎医師は以前から考えていました。
WEBで大人気のブロガーである「さとなお」さんという患者さんと出会い、意気投合した鈴木医師は患者さんが医療や研究、行政の政策立案に参画できるようにプラットフォームを作り、アニサキスアレルギーに関する前向きな活動を応援することにしました。
上記の趣旨から「さとなお」さんを代表理事として設立された団体が「一般社団法人 アニサキスアレルギー協会(Anisakis Allergy Association, AAA)」です。私と東京海洋大学の嶋倉邦嘉先生以外は全員アニサキスアレルギーでお困りの患者さん達がAAAの組織運営に関わっており、まさに「アニサキスアレルギー患者の」「患者による」「患者のための」団体として発足致しました。
飲食店やホテル業界の方々への周知や、水産関係の業界への働きかけ、についても計画しています。
アニサキスアレルギー患者さんが安心、安全に暮らせる生活を取り戻すための活動を積極的に行っていく予定です。
アニサキスアレルギー患者さん以外の方でも興味があれば、ぜひサイトへアクセスしてみてください!
文責 鈴木慎太郎